『青春』
青春とは
人生のある時期をいうのではなく
こころの模様をいうのだ
年を重ねるだけで
人は老いない
理想を失う時
はじめて老いがくる
歳月は皮膚のしわを増すが
情熱を失う時に精神はしぼむ
人は信念と共に若く
恐怖とともに老いる
希望ある限り若く
失望とともに老い朽ちる
Youth(青春)と題された詩の作者はサミュエル・ウルマン。米国でも知る人の少ない”幻の詩人”だった。戦後まもなく、米紙が「連合国軍総司令部(GHQ)マッカーサー軍師愛誦の詩」として彼のオフィスに一遍の詩として掲げていたと報じたことを機に翻訳され、日本で広まっていった。特に、松下幸之助ら戦後経済の礎を築いた財界人がこの詩を愛し、座右の銘とした。彼らは失意の中から立ち上がり、無我夢中で走り続けた自分と日本を重ねたのかもしれない。マッカーサーが支配者でありつつ、このような詩を胸に占領政策を進めていたというエピソードも、琴線に触れたであろう。「ウルマンの詩のように、情熱をもって理想を追い続けることで、我が社も青春期であり続けたい。」『青春』はウルマンが78歳で書き、80歳記念の詩集に収められた(出典:読売新聞)